ボッシュ ソフトウェア イノベーションズ
ソフトウェアイノベーション

農業分野のIoTデータを最大限に活用する方法

6 Nov 2018 | 読了時間: 4分
Bosch ConnectedWorld Blogからの翻訳

このブログ記事の筆者はLena Dorschです。筆者の紹介及び英語版のブログ記事は こちらです。

マイケル・ガルメイア博士は、自走式サトウダイコン収穫機で世界第一位のメーカーである ホルマー社(英語)の研究開発部門のトップです。ガルメイア氏によれば、農業機械メーカーは現在、2つの大きな課題に直面しています。「ますます増加する市場の要求を満たすため、農業機械は複雑化の一途をたどっています。ところが、それと同時に、機械の使いやすさは以前から変わっていないのです。そのことをお客様には知っていただきたいと思います」ホルマー社は、まさにこのような2つの課題に応えるソリューションを開発しました。EasyHelp 4.0は、ボッシュのIoTテクノロジーをベースにしてハードウェア、ソフトウェア、サービスを統合した、リモート診断とリモート保守のパッケージです。

「中央ヨーロッパだけでも、10万ヘクタール以上もの面積のサトウダイコン畑をたった3ヶ月で収穫しなければなりません。農業機械にとって、これはまさに難題です」
Dr. Michael Gallmeier, ホルマー社のR&D責任者

農業におけるIoTデータの必要性

サトウダイコンの収穫期間は比較的短期間です。ほとんどの国で、収穫は9月から11月まで続きます。すべてが時計仕掛けのように正確に進められなければなりません。すなわち、畑からの収穫物は、直ちに近くの砂糖工場まで運ばれて処理されます。平均すると、1つの工場で1日に約2万メートルトンのサトウダイコンを処理します。「このような時、絶対に必要なのは収穫機の確実な稼働です」とガルメイア氏は言います。「そうでないと、砂糖工場での生産がいきなり止まってしてしまう恐れがあります。

ガルメイア氏は、技術革新への思いに駆られており、プロセスを単純化し改善するための方法がないか、常に目を光らせています。「我々が行うことの中心は自動化です。農業プロセス間の接続性を強化することで、様々な機械をより効率的に統合し、上流でも下流でも、各プロセスステージ間の情報の流れを改善することができます」

 Holmer 3
 Holmer 4
 Holmer 2
 Holmer 1
 Holmer 5

ボッシュの技術がベースのサービスソリューション

「Easy Help 4.0の意味は、お客様の農業IoTデータを当社のサービス部門から見られることにあります」とガルメイア氏。「もちろん、お客様の許可がなければそのようなことは行いません」技術的な問題が発生したとき、ホルマー社のサービス担当者は、リアルタイムでお客様をサポートできます。「そして、機械の修理が必要な場合」とガルメイア氏は付け加えます。「技術員には、どのスペアパーツが必要かが分かります。これにより、時間とお金を節約できます」。

ホルマー社ではEasyHelp 4.0を開発するにあたり、ボッシュのソリューションを中心にパッケージを構築しました。これは具体的には、ボッシュソフトウェアノベーションが提供する ボッシュIoTスイート(英語)の各要素のことです。

  • 収穫機には ボッシュIoTゲートウェイソフトウェアを組み込んだボッシュのテレメトリモジュールが取り付けられ、このソフトウェアがプロセスや作業、機械に関するデータを収集します
  • ボッシュIoTリモートマネージャー(英語)は、モジュールの接続や管理、制御、更新等を扱います
  • 次にこのデータは、携帯電話のネットワークを経由し、ボッシュIoTクラウドへと伝送されます
  • ボッシュIoTインサイトは、データを保存すると共に、データを処理するためのツールを提供します
  • 我々はホルマー社と一緒に、ボッシュIoTインサイトの標準ダッシュボードを使い、グラフ形式でデータを可視化して表示するサービス部門用のWebサイトを作りました。


EasyHelp 4.0のもう1つの特長は、デジタル農園管理ソリューションへの接続機能です。これらの機能を通じ、ホルマー社の顧客は手を伸ばせば届くほどの近さで自社の車両フリートを管理でき、たとえば個々の収穫機に新しい作業指示を与えたり、燃料補給の計画を立てたり、交代要員のドライバーにマシンの最適なセットアップに関する情報を伝えたりすることも可能です。

新しい形の協力関係

「これまでと比べ、まったく違うやり方です」とガルメイア氏は言います。「ボッシュチームとの協力関係は、とても活力に満ちています。彼らは私たちに積極的に働きかけてくれるほか、何か助けが必要なときにはいつでも対応してくれます。その結果として、非常に実際的なソリューションが得られています。またこのことは、当社のカスタマーサービス部門からもよく聞こえてくる話です」

ホルマー社がサービスパッケージを開発するための適切なパートナーを探していたのは2017年の初めでした。「ここでの話は、高度にセンシティブなデータについてです」と、ガルメイア氏が説明します。「我々もそうですが、農家や業者も、このようなデータが間違った使い方をされることを望んではいません」 そこでホルマー社は、ドイツ国内で安心して農業IoTデータを託せるパートナー、すなわち、データが恒久的に利用可能な形で維持され、第三者には漏れないことが保証される、信頼できるパートナーを見つけ出すことに集中しました。「ボッシュからは、当社の役に立ちたいという提案がありました。そしてボッシュのIoTプラットフォームは、当社が将来的に必要とするレベルの可用性と信頼性が保証されるものでした」

先を見越す

ホルマー社にとっての次のステップは、無線によるアップデートを可能にすることです。これはお客様向けの追加機能(機能強化)で、この機能がないと、お客様は機械をワークショップまで持ち込まなければなりません。「ボッシュは、複数データソースからの入力データを組み合わせてお客様に役立つアルゴリズムを生成するためのインフラも提供してくれます。たとえば、気象データと土壌データを組み合わせて、お客様に役立つ情報を提供することも可能です。ガルメイア氏が言うように、あらゆるレベルで常に最優先されるのはデータセキュリティです。「外部の人間は誰も車両にアクセスできないようにすることが不可欠です」 ガルメイヤ氏は、 セキュアな車両通信の分野におけるボッシュの幅広い経験を信頼して任せることができました。