クッキーに関する重要な情報

このウェブサイトは機能性、利便性、統計のためにクッキーを 使用しています。 このクッキーの使用に同意する場合は、「OK」をクリックしてください。 クッキーを無効にしたい場合は、 こちら をクリックしてください。 詳細については プライバシーポリシー をご参照ください。

ボッシュ ソフトウェア イノベーションズ
ソフトウェアイノベーション
顧客事例

農業分野のIoT、牡蠣からリンゴまで

26 Oct 2017 | 読了時間: 2分
Bosch ConnectedWorld Blogからの翻訳

このブログ記事の筆者はChristopher Woodsです。筆者の紹介及び英語版のブログ記事は こちらです。

Oysters to Apples Icon lens
出典:iStock/simazoran

世界の人口は急増しつつあり、2050年までに 90億人を突破する(英語)と予想されています。農業には、人口増加のニーズを満たすため、食料の増産が求められています。しかし、土地資源も水資源も限りがあります。そこで朗報になるかもしれないのが、この課題を容易にする大きな可能性を生み出すモノのインターネット(IoT)です。

ボッシュのオーストラリアの顧客であるThe Yieldは、栽培業者の運営方法に大変革をもたらす方法を理解していました。まず、被害の大きい 牡蠣の収穫できない状況(英語)に及ぼす影響を軽減するためのIoTシステムを開発しました。牡蠣の養殖場をボッシュのIoTデバイス管理ソフトウェアと接続したことにより、あるべきでない収穫できない状態が30%減少しました。その結果、これにより、オーストラリアの牡蠣養殖業者は、年間およそ2,100万オーストラリアドルの節約になると見られます。

この成功を受けて、AgTechはIoTを養殖から農業へと拡大しました。2017年10月には、灌漑作物(リンゴやワイン用のブドウからニンジン、ジャガイモ、葉物野菜まで)向けオーダーメイドソリューションの「 Sensing+™ for Agriculture (英語)」を発表しました。このソリューションで、The Yieldはクラウドにバックエンドシステム構成をホスティングすることで、柔軟性と使いやすさを向上させています。

Oysters to Apples Icon lens
出典:istock/kaisersosa67

独自の微気候センシングソリューション

新しい世代の若い農家が主導権を握るようになり、農業関連企業は、農産物の管理を強化するスマートなシステムを求めています。The Yieldは、複雑な自然環境を監視するIoT技術を提供し、日々の作物チェックの負担から解放しました。

一般的に、農場経営に「勤務時間外」はありません。実際に屋外で作物の手入れをしていないときでも、天候のパターンを観測したり、しきりに霜の兆候や被害がないか確認して、保護、施肥、水やりに一番いいタイミングを計算しているのです。ところが、この新しい微気候センシングシステムによって、微気候のリアルタイムデータと強力な分析および予測が結びつくことで、こうした細かい気配りも不要になります。これにより、農家は当て推量を排除し、実際のデータに基づいて判断できるようになるのです。

Sensing+™によって微気候データを収集して分析できるように、ボッシュは、The Yieldと共同でFarm Area Network™ (FAN)を開発しました。このネットワークの構成は以下のとおりです。

  • 微気候センサー(日射、風速、 降雨、土壌の水分、葉の湿り具合などの管理)
  • センサーからデータを収集するセンサーノード。このセンサーは太陽光を動力源とし、長距離メッシュネットワーク通信プロトコル6LowPANを使用しています。
  • センサーノードと通信する農場の中央ゲートウエイ。
  • ボッシュIoTゲートウェイソフトウェア。これがゲートウエイを支える頭脳です。他の重要な機能に加えて、ボッシュIoTリモートマネージャーとの安全な通信を確立します。

「ボッシュと協業する最大のメリットは、同社が世界規模の大手工学技術ソリューションプロバイダーであるにもかかわらず、創業間もない、変化の激しい新興企業のビジネスに関する困難な状況に理解があることです。しかも、柔軟で対応も迅速です」。

Ros Harvey、The Yieldの創設者兼代表取締役社長

1つのツールですべてを管理

IoTソリューションの世界的な展開と運用を成功させるうえで、極めて重要なことは、The Yieldがデバイス管理プラットフォームを採用したことです。同社は、機能豊富なソリューションとして ボッシュIoTリモートマネージャー(英語)を選択し、デバイスのライフサイクル全体を通してデバイス管理に取り組みました。これにより、ゲートウエイやセンサーをリモートから簡単に展開、設定、監視、更新できるようになります。

ボッシュIoTリモートマネージャーは、ボッシュIoTクラウド、Amazon Web Services、SAPなどさまざまなクラウドホスティング環境で「サービスとして」利用可能です。The Yieldの微気候センシングソリューションは、ボッシュIoTリモートマネージャーのMicrosoft Azureへの初の展開となり、Microsoftクラウドがリストに加わりました。このようにクラウドの選択肢が豊富なため、顧客はボッシュデバイス管理ツールを世界中に柔軟に展開して、ホスティングの個別の環境設定や地元政府の用件に対応できます。

「製品のマイルストーンにスケジュール通りに確実に到達できるようにするために、ボッシュチームは素晴らしい働きをしてくれました」。

Ros Harvey、The Yieldの創設者兼代表取締役社長

出典:iStock/Vesna Andjic
出典:iStock/Vesna Andjic

データを実用的な知見に変える

リアルタイムの微気候データを人工知能および予測分析と組み合わせることで、このThe Yieldのソリューションは7日間予測を実現し、栽培業者に必要な情報をすべて伝えます。どのくらいの降雨量があったか。次の日にどのくらいの水が蒸発するか。作物への水やりや保護の最適なタイミングはいつか、といった情報がすべて分かります。

稲妻や風、雨を利用して命令を実行できるX-menのStormというキャラクターが存在するのには、理由があります。この手の超能力を可能にする技術は(今のところ)ありませんが、 適切なデータによって、農家はそれに次ぐ力を手にします。つまり、これから起こることへの備えが可能なのです。「測定できるものであれば、管理も可能です」(The Yieldの顧客のMatt Pooley氏、Pooley Winesのブドウ栽培家)。

作物は、与える水の量が理想的であれば、より早くより大きく成長するのは間違いありません。畑ごとに必要な水の量を正確に指示すれば、過剰な散水も減ります。ある顧客の見積もりでは、このシステムによって水の使用量が最大30%減少するとのことです。オーストラリアでは数ヶ月間、一切雨が降らず、目下のところ、 史上最も暑い春のスタートとなっています(英語)。ですから、この点が最も重要なのです。さらに、レタスのような生鮮食品は、収穫時の水分量によって、スーパーの棚でどれくらい持つかが決まるのです。

作物を危険から遠ざける

作物をうまく収穫するには、日頃の維持管理が極めて重要であると同時に、天候の変化に素早く対応することが、作物を被害から守る鍵となります。ボッシュIoTリモートマネージャーによって、The Yieldは個別のルールを定め、農家に霜などの重要な事象を通知できるようになりました。50kmも離れた所のデータを利用する天気アプリに頼って、数時間ごとに被害の兆候がないか確認するのではなく、農家は霜がいつ差し迫った問題となるかを通知されます。そのため、農家は直ちに作物を被害から守る措置を講じることができます。これにより、最悪の事態が起こらない限り、無駄になり、費用もかかる「万が一に備えた」 対策を省くことができます。

先を見据えたアプローチ

多くの農業関連企業にとって、IoTエコシステムは、日々の作業に対する全く新しい取り組み方となります。リアルタイムデータと複数の作物や畑の状態を即座に確認する機能を備えたことで、農業はその判断方法を変え始めています。最終的には、作物の無駄が減り、水と農産物の無駄も減って、収穫高が増えることになります。つまり、IoTなどの最新技術の助けがあれば、世界中の人々に食糧を供給する可能性が高まるということです。

コネクテッド農業の詳細